中学受験国語 文章への線の引き方

文章のどこに線を引けばいいの?

文章への線引きって意味あるの?

そんな疑問をお持ちの方に向けて、今日から使える文章への線引きテクニックをご紹介します。説明的文章の読解において、線引きはマストですが、むやみやたらに引くとかえって読みにくくなってしまい危険です。様々な参考書でも紹介されていますが、引くべきポイントが多すぎてちゃんと自分のものにできているお子さんが少ないように思います。

今回は、小学生のお子さんでもすぐに使えるよう3つに絞っていますので、是非参考にしてみて下さいね。

線引きの必要性

「文章への線引きは必要なのか?」とのご質問は非常に多いのですが、説明的文章の読解力をあげるためには、ほとんどのお子さんにとって必要なことです。なんのチェックも入れずに、文章を一読するだけで自然と文脈や要点がつかめて、また内容が頭に残るという、非常に高い読解力をお持ちの方は例外ですが、ほとんどの方は読み進めるうちにどこに何が書いてあったのかも忘れてしまうので、線引きをすべきです。

線引きをしながら読むと、はじめは読むスピードが遅くなります。また、文章が線だらけになってしまいます。しかし、練習を進めることで素早く、重要なところにだけ線を引いて読めるようになります

これは、すぐにできるようになることではありません。オススメは、5年生のうちに1年間かけて練習をすることです。

線を引くべき3ポイント

それでは早速、線を引くべき3つのポイントを紹介します。

  • 問いかけ文(問題提起)➡その答えとなる部分
  • 接続語
  • 筆者の意見を表す表現(主に文末のことば)

この3ポイントです。ここからは、1つずつ線を引くべき理由を解説していきます。

問いかけ文(問題提起)

まずはこの「問いかけ文」に注目するところからはじめてみましょう!

なぜ問いかけ文には線まで引いて注目すべきなのかというと、これからなんの話がはじまるのかを教えてくれる文だからです。

たとえば、「なぜ熊は冬眠するのでしょうか。」という一文から始まる文章があったとしましょう。もし、第2文目以降で一切熊のことに触れず、ラーメンの歴史についての説明が続いたとしたら、皆さんはどう思われるでしょうか?「えっ?!熊の冬眠の件はどうなったの…?」と思いますよね。すぐに答えが来ないことはありますが、ほとんどの場合、筆者は問いかけ文に対しての答えを述べてくれます

つまり、問いかけ文に注目し、その答えを探すという意識をもって文章を読むことで、要点をつかむことができ、さらに文章のまとまりもつかむことができるということです。

せっかく筆者が「今からこの話をするよ!」と教えてくれているのに、気づけなかったらもったいないですよね。今日から、問いかけ文を見つけたら線を引く習慣をつけましょう!

※疑問の形になっているが、問題提起ではないというパターンもあります。どれが線を引くべき問いかけ文なのかすぐにわかるように、オリジナル教材を使って練習してください。

接続

「接続語には印をつけている!」という方は多いかもしれません。でも、「とにかく『しかし』が出てくるたびに〇をつけているだけで、作業になってしまっている…」という方も多いのではないでしょうか。接続語への意識を持てていることは素晴らしいことです。注目すべき理由までわかると完璧ですので、あと少し頑張ってみましょう!

接続語は、主に段落どうし・文どうし・単語どうしをつなぐものなので、どの接続詞が使われているかによってそれらの関係がわかります。このことから、接続語を見ると、次にどんな内容が続くのか予想しながら読んでいくことができるのですね。それだけではなく、接続語が問題を解くためのヒントになっているケースも多いです。

この接続語において最も重要なことは、それぞれの接続語がどのような働きをすることばなのかを知っておくことです。たとえば、「つまり」と出てきて、それは見つけられたのに、「ここからまとめだ!」と分からず読み飛ばしてしまってはもったいないですよね。接続語は最低6つのグループに分けて、働きと、その仲間を覚えるようにしてください。これもなるべく、4~5年生のうちにマスターしたいところです。6年生でまだ接続語のグループ分けができていない方(結構多いのですが…)は、早急に覚えましょう。

※接続詞6グループの解説も別の記事で説明します。

筆者の意見を表す言葉

最後の線引きポイントは、筆者の意見です。説明的文章では、筆者の言いたいことをつかむことが非常に重要であることは皆さんなんとなく理解してもらえるかと思います。記述問題において、この筆者の意見を書かされるケースも非常に多いですので、まずは見つけなくてはいけません。

この筆者の意見については、今回線引きポイントとして挙げた「文末にある表現」に注目するテクニックだけでは少し不十分です。しかし、この文末表現への注目だけで筆者の意見を答えられた、というケースも多々ありますので、まずはこれを習慣化してください。

それでは、具体的にどのような文末表現があるのか、確認してみましょう。

~べき~必要である~重要である~ねばならない~ないだろうか・~かもしれない・~はずだ・~ちがいない~だろうか(いや~ではない)・~思う・~考える

これですべて、というわけではありません。たとえば、「~ないだろうか」を「~ないでしょうか。」のように書く筆者もいますから全部を丸暗記することはできませんし、これらの文末表現すべてが筆者の言いたいことにつながるとは限りません。しかし、高い確率で筆者の主張部分なので、まずは代表的なものを覚えることがオススメです。そして、お手持ちのテキストの論説文から実際にこれらの表現を探してみてください

※筆者の主張についても、さらに深く別の記事で説明します。

まとめ

いかかでしたでしょうか。「線を引くところは3ポイント!」と明確に決めて読めている方は少なかったのではないでしょうか。このように決めておかないと、「どこに線を引けばいいかわからない…」「線だらけになってしまった…」という悩みが解決しませんよ!大事なのは、自分なりのルールをしっかり持つことです。(それなりに正しいルールでなければなりませんよ!)

まだ線引きについてのルールを持っていない、というお子さんには是非今回の3ポイントを教えてあげてくださいね。